素数の法則について解説

1.素数とは

まず、【素数】という物について確認をしておきます。

『1と自分自身以外に正の約数を持たない、1でない自然数』

と定義付けられています。

分かりやすく言うと『1と自分でしか割り切れない数字』の事です。とても孤独な数字だと表現する人もいます。

2,素数の難しさ

素数は非常に難しい物です。数学の世界で最も難解な存在であると言っても過言ではありません。

何がそんなに難しいのかを簡単に言うと

『法則の様な物の片鱗は見せるものの、どれも不完全であり、結局統一性のある法則性が見付かっていない』

という事です。

有史以来、様々な数学者が素数について研究をしました。エジプトでは、紀元前1650年頃には素数に関する書物が書かれています。

ですが、素数について(完全に)分かっている事は

『素数は無限に存在する』

という事だけです(これを証明したのは、紀元前3世紀頃のギリシャの数学者ユークリッドです)。

その他の全てについては、上記の通り『法則の様な物の片鱗は見せるものの、どれも不完全であり、結局統一性のある法則性が見付かっていない』のです。

3,素数の法則性の様なもの

オイラーの公式

素数には全く規則性がありません。完全に不規則に現れるのです。
例えば13。これは素数ですが、では13の次の素数はいくつか?という問いに、我々は14、15、16…と一つ一つ検証し、やっと17である事が分かるのです。
素数に公式があれば、見付けるのは容易になります。
オイラー(1707~1783)は下記の様な「公式」を考えました。

n×(n+1)+41

この公式のnに0を代入すると『41』、1を代入すると『43』、2を代入すると『47』…と確かに素数になります。

しかし何故かnが40より大きくなると、この公式は成り立たなくなります。

素数定理

ドイツの数学者カール・フリードリッヒ・ガウス(1777~1855)は15歳の時に【数を1000ずつ区切って、その中に現れる素数の個数】を数えました。
毎日数え続けましたが、100万までいかない内に諦めました。
それでも数十万もの数を調べた彼は、初めから順番に数えなくても、ある数までに現れる素数の個数を教えてくれる式を発見しました。

しかし、この式は【ピッタリ正確な】数を求める事は出来ません。
【だいたいこの位】までしか分からないのです(ただし大きい数になればなる程、正確になっていく)。
とはいえ素数は【全く不規則に】現れるはずなのに、おおよその数は簡単な式で求める事が出来るという事です。
という事は【全く不規則】ではない、という事に思えます。何らかの規則はあるのでしょうか?

プリヒタの素数円

これを見ると、『やはり素数には何らかの規則性があるのではないか』と思わないですか?

これは『プリヒタの素数円』と呼ばれる物です。

数字を1から順番に時計回りに並べ、24ごとに一つ外の円に移る…を繰り返した物です。

そうして素数を赤字で表してみると、ある『規則性』が見えてきます。

素数は中心から外側へと伸びる特定の放射状の線上にしか現れません(2と3は例外)。

こうして見ると、素数はやはり何らかの法則に従っているのではないか?と思えます。

しかし、素数の現れるそれぞれの線に注目すると、その現れ方は全くのデタラメである事が分かります。

ここでも素数は『法則の様な物の片鱗は見せるものの、どれも不完全であり、結局統一性のある法則性を見せない』のです。

リーマン予想

ドイツの数学者ベルンハルト・リーマン(1826~1866)は、熱心な研究の末に重大な事を発見しました。

『ζ(s) の自明でない零点 s は、全て実部が 1/2 の直線上に存在する』

非常に難しい表現ですが、簡単に言うとこういう事です。

『全ての素数を、この関数を使ってグラフ化すると、綺麗な直線を描く』

これの何がそんなに重大なのかと言うと、ただ一つの法則すらないと思われていた素数を一直線に整列させることが出来たという事です。

ただしこれは『証明』ではなく、あくまで『予想』です。

何故なら、現在発見されている素数については全て当てはまりますが、次の素数にも当てはまるのか?はやってみないと分からないからです(素数は無限にある)。

この『リーマン予想』は数学史上、最も難解な未可決問題として位置付けられています。

数々の数学者(中には数学史上、最高の天才と言われた人もいました)が、この『予想』を『証明』しようと研究しました。

でも何故かみんな途中で精神が破綻してしまったり自殺してしまったりするんです。

リーマンがこの予想をしてから150年余り、まだ誰もこの問題を解決していません。

原子核エネルギーとの関係

1972年、数学者ヒュー・モンゴメリーがある大学を訪れていた際、たまたま同じ部屋に物理学者のフリーマン・ダイソンがいました。

2人に面識はありませんでしたが、共通の友人の紹介でお互いが自分の研究について話し始めます。

『素数』と物理学、とりわけダイソンの専門分野『量子力学』。この2つに共通する物などないと思われました。

ですがモンゴメリーが自分が研究していた『素数』に関する数式を見せると、ダイソンは驚きました。

なんとそれはダイソンが研究していた『原子核のエネルギー間隔(原子核は一定のエネルギー値を取らずに、常に変化している)』を表す式と一致していたのです。

これには世間も非常に驚きました。

一体なぜ『素数の現れ方』の数式と『原子核のエネルギー間隔』を表す数式が同じなのか?
素数は単なる数学上の概念ではなかったのか?

(sinπu/πu)2

一見無関係の2つの事柄が、何故このような難解な数式に支配されているのか?
これについてはまだ分かっていません。