理系の雑学・豆知識

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マクスウエルの方程式とはなにか

全ての電気と磁気に関する現象(電磁気現象)はマクスウェル方程式によって理論的に説明されます。

電磁気現象の中でも、マクスウェルを世に知らしめたのは、電磁波の予言と、その理論的伝播速度が実験的に得られた光の速度(光速)と一致していたので、光も電磁波の一種であると予言したことです。

ところがその電磁波の理論的伝播速度が大問題になったのです。

どうして大問題なのかというと、その光(電磁波)の速度は、ニュートン的な速度(例 音の伝播速度では空気を媒介して圧力が伝わることから、媒質である空気が移動していると音の伝播速度も変化する)、というものではないからなのです。

そのために電磁波の伝播媒質としてエーテルを想定し、電磁波の伝播速度はそのエーテルに対しての速度だろうということでエーテル論が出たのですが、理論的にも実験的にも全て否定的なものでした。マクスウェル方程式から得られる真空中の光の速度は、定数である真空中の透磁率と誘電率から決定されます。従って、真空中の光の速度も定数(媒質の速度の影響を受けない)でなければなりません。

いよいよニュートンの法則に翳りが見え始めてくることになり、20世紀最大の理論の一つである相対論が生まれるきっかけがここにあったのです。

 

第1式   電場(電界)の源は電荷である。

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E は電場(単位は V/m)、ρ は電荷密度、e0 (≒ 8.854 pF/m)は真空の誘電率、電場は電荷から放射状に出ている。

 

第2式   磁場(磁界)には源がない。

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B は磁束密度(単位はWb/m2)、磁荷(単磁極、モノポール)というものはなく磁場はループ状になっている。

 

第3式  磁場(磁界)の時間変化が電場を生む(電磁誘導)。

 

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t は時間

 

第4式   電流、電場の変化(変位電流)が磁場を生む。

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J は電流密度(A/m2)真空の透磁率 μ0 = 4π×10-7乗 W/Am

というような実験的事実を数学的に方程式という形にしたものがマクスウェル方程式です。

電場の変化による変位電流によっても磁場が発生することをアンペールの法則に付加えたので、アンペールの法則は、アンペール・マクスウェルの法則と呼ばれています。

 

第1,2式では、電場は電荷から放射状に出ていますが、磁力線はどこかを起点とすることも終点とすることもできないことから、閉曲線でなければならなりません。これは磁気単極子(モノポール)が存在しないことを前提にしています。(モノポールの存在は現在確認されていませんが、将来その存在が確認されれば、第2式の右辺は磁荷密度を真空中の透磁率で割ったものになります。)

第3,4式では、電流、電場の変化(変位電流)が磁場を生み、磁場の変化が電場を作り、電場の変化による変位電流によっても磁場が発生することから、電磁波の存在を示唆しています。

このように、 全ての電磁気現象はマクスウェル方程式によって理論的に説明されます。