理系の雑学・豆知識

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無線通信の変調・復調について解説

変調(へんちょうmodulation)復調(ふくちょうdemodulation)


無線通信である情報を伝送するにはまず、その情報を電圧や電流等の電気信号の変化に変換する必要があり、次にある周波数の電波(搬送波(carrier wave、キャリア(用語解説)))に情報を運んでもらうためには、その電気信号の変化を電波の特性(振幅、周波数、位相等)の変化に変換する必要があります。その操作を変調といいます。
送られてきた電波から再度その情報を取り出すには、電波の特性(振幅、周波数、位相等)の変化から電気信号の変化を取り出し(復調又は検波)、その電気信号の変化から情報を取り出す必要があります。この電波の特性の変化から電気信号の変化を再現する操作を復調(または検波)といいます。

 

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 例えば、無線電信ではアルファベットの各文字にトン・ツー(短点と長点)で構成されるモールス符号を電気が流れる時間の長短に変換(変調)して、電流の流れているときにだけ電波を送ります。その電波を検出し、電波のあるときだけ電流が流れるようにして、電気が流れる時間の長短を復元(復調)します。それをモールス符号表と参照することで、送られてきたアルファベットの文字を再現することができます。
この場合、人間が介在してある文字に対応する時間の長短(トン・ツー)を作り、それを電気信号にして送り、受信者は電気信号の長短(トン・ツー)を目視や聴覚で知り、モールス符号のテーブルから送られてきた信号に対応する文字を知ることができました。
このような操作を全て機械的に行うのがデータ通信です。


  電話では音声の空気圧の変動をマイクで電気信号に変換し、それを電線で遠くに送りスピーカで電気信号の変化を空気圧の変化に変換することによって、空気圧の変化を人間の耳で音声として聞き取ることができます。
無線通信では電線の役割を電波が代行します。そのためには音声が変換された電気信号(音声信号)を電波の性質の変化に変換(変調)して送信し、受信側では受信した電波から音声信号を取り出し(復調)、それをスピーカで音声を再現します。


 一般に情報を運ぶ役割を担ったもののことを伝送媒体といい、伝送媒体に情報を載せる(伝送媒体の特性に変化を与える)ことを変調といます。その伝送媒体から情報を取り出すことを復調といいます。


  有線通信では電線に流れる電流が、無線通信ではある周波数の電波(変調する前の電波を搬送波といいます)が、光ケーブルを用いる光通信では光が伝送媒体です。

変調の基本原理

 送信したい信号を,搬送波に乗せるには搬送波の信号はAcos(ωt+θ)で表せる。Aが振幅,ωが角速度(=2πf。つまり周波数は角速度に比例する),θが位相で、tが時間です。

 代表的な例では送信したい信号の変化に合わせて,搬送波の振幅の大きさ(A)を変動させるのがAM(amplitude modulation:振幅変調)です。 同様に周波数(f)を変動させるのがFM(frequency modulation:周波数変調),位相(θ)を変動させるのがPM(phase modulation位相変調)です。

 デジタル変調では,送信したい信号の変動の大きさをデジタル信号化(離散化)し,搬送波の振幅/周波数/位相の最小変動量を決定しておき(Δf 離散化)、送信するデジタル信号のデータ(n)に応じて変化量(n×Δf)を割り当てたものが,それぞれASK(amplitude shift keying),FSK(frequency shift keying),PSK(phase shift keying)です。

基本的な変調方式

振幅変調(AM amplitude modulation) : 情報を構成する記号に対応して通信媒体の振幅を変化させるものです。
周波数変調(FM frequency modulation) : 情報を構成する記号に対応して通信媒体の周波数を変化させます。
位相変調(PM phase modulation) : 情報を構成する記号に対応して通信媒体の位相を変化させます。
パルス変調 : 情報を構成する記号に対応してパルスの振幅(PAM)・幅(PWM)・位相(PPM)・符号(PCM)などを変化させます。
現状、光通信では光の周波数を一定にすることが難しく周波数変調や位相変調は実用になっていませんが、これが実用化されると更なる通信革命が発生するでしょう。

周波数帯幅

  例えば、音声や音楽は人間の耳で聞くことが出来ますが、人間の耳に聞こえる空気圧の変化には弱い音から強い音、低い音から高い音とさまざまな音がありますが、これらはある強さ(A)で、ある周波数(f)の音を幾つも組み合わせたもと考えられます。人間の耳に聞こえる範囲の周波数が可聴周波数で個人差はありますがおおよそ20Hzから20kHZの範囲です。一般の電話での会話は約4kHzまでの周波数成分があると実用上問題はありませんが、高い忠実度が要求される音楽CDでは22kHzまでの周波数成分が必要です。テレビジョンの画像などではもっと高い周波数成分が必要になります。

  このような信号を伝送するには搬送波(fc)を信号で変調する必要があり、変調された電波には搬送波と信号波(fs)が混合されているので、変調された電波の周波数成分は一般に(fc±fs)になります。信号の送信に当っては(fc-fs)から(fc+fs)までの周波数成分を送信しなければなりませんし、受信側でも(fc-fs)から(fc+fs)までの周波数成分を受信しなければなりません。このような周波数の幅を周波数帯幅といいます。この周波数帯幅の上限をこえ、下限未満の周波数は極力送信しないようにしないと他局との混信等を生じますし、受信側でも混信を避けるためにはこの周波数帯幅のみを受信するように工夫する必要があります。


基本的な復調方式

包絡線検波(envelope detection)

包絡線検波とは振幅変調された信号を受信した場合、その信号の包絡線(振幅変調の概念を参照してください)に情報があるので、包絡線のみを取り出す操作をおこないます。

  最も簡単な回路は、入力信号を1本のダイオードに通し、その出力を抵抗器とコンデンサの並列回路で受けるものである。抵抗器とコンデンサの時定数を適切に設計すると、その出力波形は入力波形の包絡線に近い波形となります。

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